新年あけましておめでとうございます。皆様には日頃から当法人の運営にご協力を
いただいていますことに心より感謝申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症が5月に2類相当から5
類に引き下げられ、病院の診療体制も通常状態に戻ったところです。しかし、今回の
コロナ禍を契機とした患者さんの受診抑制は引き続き改善しておらず、また医療従事
者の離職が加速いたしました。厚生労働省の「雇用動向調査結果の概要」によります
と、2023 年10 月末現在、医療・福祉の就業者数が調査開始された2002 年以降初
めて減少に転じたと報告されています。当法人参加病院の名寄市立総合病院も昨年
10 月より看護師不足、働き方改革への対応等により1病棟休診しております。もう
一つの参加病院の士別市立病院は現在、病棟再編、医療DX 強化、医師・看護師の働
き方改革等を盛り込んだ病院経営強化プランの策定中であります。
令和6年度診療報酬改定は、+0.88%となり、そのうち0.61%は看護職員、薬剤
師その他の医療関係職種の処遇改善のためとなっております。現在65 歳以下の看護
師資格を持つ人の約1/3 の70 万人が看護職に就いておりません。待遇改善によりこ
れらの潜在看護師が医療現場に戻ることが最も効果的な看護師不足対策と考えてい
ますので、今回の診療報酬改定が少しでも寄与することを願っております。
令和6年は、医療界にとりましては大きな変革の1年になることが予想されます。
4月から始まる「医師の時間外労働上限規制」は、地域医療・救急医療への影響が危
惧されますが、始まってみないとわからないというのが正直な感想です。また、「医療
DX 化」も重要課題です。財源の問題や2024 年12 月には従来の健康保険証が廃止
されマイナ保険証へ移行しますが、混乱なく進むのか。さらに、2025 年度からの「か
かりつけ医機能報告制度」の協議が始まります。診療所と病院の機能分化を進めるう
えで重要な制度となりますので議論の経過を注視したいと思います。
上川北部医療連携推進機構も、これらの課題に積極的に対応し、地域の医療機関の
機能分化・連携強化をさらに進め、法人に参加していない医療機関も含めた地域医療
提供体制構築に向け邁進する所存でありますので、ご支援、ご協力、よろしくお願い
申し上げます。
令和6年1月
地域医療連携推進法人上川北部医療連携推進機構
代表理事 佐古 和廣