代表理事ご挨拶

 我が国はいま、人口減少と急激な高齢化が進行し、地方では今後社会生活サービスの維持も単独自治体では困難になることも予想されます。医療もその一つで、現実を直視し将来へ向けての準備を開始することに早すぎることはないと考えます。
 
 私たちが暮らす上川北部医療圏の人口は2020年の61,147人から2040年には40,414人に減少することが推計されています。一方で、住民が安心して生活するためには充実した医療提供体制の維持は欠かせません。これまでは名寄市立総合病院と士別市立病院が中核となり上川北部医療圏の医療を担ってきましたが、これからは現在の医療提供体制を持続するためには急性期医療の集約化と機能分担が必要となります。その目的達成のために名寄市立総合病院と士別市立病院を参加法人とする地域医療連携推進法人の設立に至りました。
 
今回設立しました「上川北部医療連携推進機構」の主な事業は
1.      診療機能の集約化・機能分担、病床規模の適正化
2.      医療会議従事者の派遣・人事交流体制の整備
3.      医療従事者の質向上に資する共同研修
4.      医薬品・医療機器の共同購入等
であり、これらの事業を通して効率的で質の高い医療提供体制の構築と医療介護の連携強化を図り地域包括ケアの推進を目指します。
 
2020年8月現在、全国で18の法人が設立されていますが、2020年9月1日に北海道で初めて「南渡島メディカルネットワーク」と「上川北部医療連携推進機構」の2法人が認定されました。上川北部医療連携推進機構は名寄市病院事業と士別市病院事業の2法人でスタートしますが、将来はその連携を上川北部全体に拡大することも想定しております。住民の皆様、医療関係者の皆様にはこれからも今まで以上に病院運営にご理解とご協力をお願いしまして法人設立の挨拶といたします。

2020年10月

代表理事 佐古 和廣